ドローン空撮と風

あなたはドローンを飛ばす時にどんなことを注意していますか? ドローンの見えない敵かつ最も危険な相手をご存知でしょうか? それは風です。ドローンと風の関係について、これまでの経験から感じていることをシェアしたいと思います。

ドローン最強の敵とは?

ドローンを飛行させる時にDJI GOアプリの情報はとても役に立ちます。
・高度 ・距離 ・バッテリー残量 ・電波干渉の度合い ・飛行時間の目安

そして、上空で風が強いと画面上に警告を出して操縦者に知らせてくれます。ですが、具体的な数値はわかりません。私は一度、海岸から空撮をしていた時に、「ドローンが全く戻ってこられない」という経験をしました。地上での風は風速計があれば視覚化できます。ですが、上空の風は見えません。そんな事もあり、私はドローン飛行の最強の敵は「風」だと思っています。このコラムでは風とドローンについての色々な要素を書き綴ってみます。

ドローンは風速何メートルまで飛ばせるのか?

DJIの製品スペックを見ると、最大風圧抵抗10m/sと記載されています。時速にすると36km/h。Phantom4のスポーツモードで飛ばした場合、向かい風なら36km/h=10m/sしか出ないワケです。

もし、離陸ポイントからの距離が1kmとして上空100mだとすると
・離陸ポイント上空に戻るまで約1分40秒ほど
・そこから着陸まで最大速度で降下して約20秒 となると正味2分以上かかることになります。

これが上空で15mの風が吹いていたら、戻ってくる速さは5m/s。離陸ポイントまで3分以上かかる計算になります。あくまでも理論値ではありますが、正味4分程度戻ってくるまでかかる距離が1kmです。これも理論値ですがバッテリーは20%は消費する計算です。ちょっとこれはギリギリまで飛ばすのはリスクが高すぎると思いませんか?

ここまで考えるとやはりメーカーがスペックとして出している風速10mというのが現実的。上空で10mなら地上では5m程度になるケースが多いので、長距離飛行の前に風速計で確認してから飛ばしたいところ。

前述の私の海での飛行時には、風が地上で一時的に7mぐらい吹いている状況でした。風が弱まった時に飛行&空撮をしましたが海岸は突然風が強くなる事もあります。ですので、地上5m以上の時は飛ばさないと、私は決めています。

風情報を集める

ドローン飛行については風情報を収集することが、とても大切です。ツールとしては以下のようなものがあります。

・風速計
・風情報アプリ
・気象情報 あたりでしょうか。

気象や環境による風の変化については気象の知識が必要です。専門書も出ていますし、ドローンスクールなどでは詳しく教えられています。それもこれも、不用意な事故を避けるための知識。

怖いもの知らずという言葉がありますが、こういった風に関する知識が不足していると、私のような失敗どころか、本当にドローンを戻せないということが起きてくるかもしれません。起こす必要のない失敗や事故を避けるためにも、風情報・気象の知識は学んだ方が良いと思いませんか?

風を避ける飛ばし方

気象に関する知識があると、風が強い状況下でも影響を少なくする飛ばし方も出来るようになります。とはいえ、地上で風が強すぎる日は飛ばさない方が良いです。地上ではそうでもないのに、上空で風が強いという場合は風の影響を避ける飛ばし方が必要になります。

今何が起きているのかを分析する判断力。その前提となる知識。そして技術があればですが・・・。この辺りも気象に対する知識を身につけると良いですよ。海岸、海上、山間部などの風がどんな仕組みで吹くのかを知っていると、事故や失敗を未然に防ぐことができます。

アプリの警告を無視しない

アプリ画面上で風が強い場合、警告メッセージを出してくれます。経験上、このメッセージが出る時は最低でも5m以上の風が吹いている印象です。その時の地上での風は3m未満という事もよくあります。高度が50m程度でも警告メッセージが出ることがあります。高度が上がれば風は相対的に強くなる傾向にあります。ですので、アプリのメッセージが出た時はドローンを長距離飛ばさない方が良いです。

なぜなら、風は見えないからです。知識があっても避けられない風が存在します。ですが知識がなければもっと避けられないですが(笑)。

もしどうしても飛ばさなければならないならバッテリー残量には気を配る。最悪、墜落させても良い場所も想定しておくなどの対応策が必要です。

手にしている情報をどう活かすかは、自分次第。経験に頼らない事も大切です。想定外のことは起こり得ます。ですので、私はアプリのメッセージを踏まえ、警告が出た時の対応方法を決めています。あなたも警告が出た時の対応策を決めてはいかがでしょう。起こす必要のない失敗をしないために。それは何かあった時に自分を守ることにもなります。行き過ぎれば、いわゆる過失というヤツですから・・・

まとめ

私がドローン空撮する時に本当に詳しく情報を集めるのが「風」の情報です。

・色々な風情報ツールで事前に情報収拾
・風速計
・上空の雲の流れや雲の種類
・気温変化
・アプリの情報 などです。

例えば、風がない時には着陸の仕方も変えます。それには理由があるのですが、ここでは割愛します。つまり何が言いたいかというと、風の状態によって飛ばし方や操縦方法、高度、速度などあらゆる要素を的確に判断することが大切ということ。それもこれも不用意な失敗を避けるためです。ちょっとした準備・情報分析・知識・操縦技術を知っているだけで避けられる失敗は多くあるということです。

「風」は見えない敵です。ですが備えていれば敵ではなくなります。そして「飛ばさない」という勇気も大切かつ必要な備えだと思っています。

(JUIDA認定講師 松永和仁)

 

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