2mのサッカーセネガル代表選手に小学生が勝てるか?

聖書に面白い話があります。2mの巨人ゴリアテと羊飼いの少年ダビデの戦いです。ここにビジネスにとても役に立つ考え方があります。ちょっと紐解いてみたいと思います。

巨人ゴリアテが一騎打ちを申し込む。少年は勝てるのか?

ゴリアテは言いました「私を殺すことができたら、われわれはおまえたちの家来となる」。これを聞いた羊飼いの少年ダビデは怒って、軍の指揮者であるサウル王に自分が戦いを挑むと言い出したんです!

何故、少年ダビデは勝てると思ったのか?

ダビデは羊飼いでした。その羊をクマやらライオンが襲いにくることがあり、ダビデはそのクマやライオンを撃ち殺したことがあるというのです。

それを聞いたサウル王は他に誰もゴリアテの一騎打ちに応じるものがいないので、「それなら」とダビデに鎧と剣を与えます。

鎧も剣もいらないです!

ダビデは鎧と剣をつけてみたんですが「これらのものを着けていくことはできません。慣れていないからです」と言います。

で、何を持って言ったかというと「杖」「石投げ」「石5個」だけ。

えっ! て感じではありませんか?

強者を弱者が打ちのめすには?

知っている方は知っているお話ですが、ダビデが勝ちました。しかも石一個で打ち倒し、倒れているゴリアテの剣を取って首をはねたんです。実はダビデ。サウル王に行ったように「石投げ」むちゃくちゃ得意でした。

石でクマやライオンと戦って羊を守れるって実はすごいですよね。

タイトルの話に戻しましょう。

2mのセネガル選手に小学生が勝てるのか?

サッカーをやったら勝てないですね。でも他の競技なら勝てるかもしれません。小学生がキャリアを積み、得意なことでならという条件付きですが・・・。つまり同じ土俵では戦いにならなくても、自分の得意なことなら勝てることもあるということです。

つまり

強者のルールで戦ってはいけない

ビジネス界でも強者のルールで戦うとほとんどの場合負けます。大企業のやり方や土俵で勝負しないことです。ゴリアテとダビデに置き換えると、ダビデがもし「剣と鎧」で戦っていたら負けていたでしょう。

ビジネスで弱者が強者に勝つには?

大企業とまともに戦わないという戦略を取っていた代表はAppleです。マイクロソフトがすでに業界の大巨人になっていた時もぶれることなく、自らのポジションを守り続け今に至ります。「クールでカッコイイ」というポジションです。

日本ではソフトバンクがそうかも知れません。シェアはいまだにドコモですが後発参入ながら大巨人ドコモと中巨人auからシェアを取りシェア25%を取っています。「CMのお父さん効果」や「家族」をテーマにすると行ったところでしょうか?

強者に勝ったり、強者のシェアを奪うには強者と全く違う戦い方をしているということ。大企業のように潤沢に人もお金もあるなら良いですが、中小企業が同じ土俵で戦っても勝ち目はないワケです。

なので、強力なライバルや大企業と競合しそうなら考えてみてほしいことがあります

・ライバルよりも自分たちが得意な顧客はどんな人たちか?
・ライバルの商品と自分の商品はどこが違うのか?
・ライバルが不得意で、自分たちが得意なことは何か?

つまるところ、競合しないということです。競合してしまったら価格競争になります。そうしたら勝ち目はありません。競合しなければ利益も取れるようになる。ということです。

小学生が2mのセネガルサッカー代表選手に勝つにはサッカーで勝負をしないこと。でした。

ライバルに差をつけようと奮闘している方々です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドローンが競合と戦えるツールになると思った方はコチラ

(JUIDA認定講師 松永和仁)

 

あなたのドローンに関する考え方間違っていない自信ありますか?

新しいものへの思い込みは結構間違っていることがあると思いませんか?

インターネット創世記、携帯電話創世記。どちらも懐疑的な意見が多く、波に乗り遅れた人たちが多くいたことを知っていますよね? それはインターネット後に飛躍的に成長した企業とほとんど伸びていない企業があることが証拠です。

波に乗る。乗り遅れる。その差は?

伸びなかった企業は日本で言えばパナソニックや東芝シャープが代表格。

伸びた企業はソフトバンクグループ、NTT(ドコモではない)など。ソフトバンクは2004年-2017年比較で実に18倍。今やソフトバンクの売上は9兆円を突破(2008年売上は2兆7000億程度)。パナソニックは一時9兆ごえを達成したものの今は7兆円強。東芝に至っては4兆円台です。

海外で言えばApple、サムソンなどが数字を伸ばしています。Appleは2004年と2017年を比べると実に28倍の23兆円越え。

伸びた企業は「元々持っていた商品力+インターネット+何か」を提案できた企業です。

波に乗れなかった理由。波に乗れた理由とは?

一方、うまくいかなかった企業はこの3つのうちどれかが欠けていたように思います。言葉を変えるなら「枠」を超えられなかった。

「うちのブランドはこうあるべきだ」とか、「うちの売りはこれ」などが足かせになっていたような気がします。「何か」に入る組み合わせの価値が自社の商品の価値を上げてくれる。

実際、Appleのiphoneが他社のアンドロイドに比べて性能が飛躍的に高いわけではありません。Macもそうです。性能は他社と大して変わりはありません(と言っても使いやすいですけど)。むしろ不便なことも多々ありますし(笑)。またiphoneをスティーブ・ジョブズがアップル経営陣に提案した時。「どうして俺たちが電話を作らなければならないんだ」という声が上がったそうです。

ソフトバンクは国内通信+米国企業買収からの売上、Yahoo事業が屋台骨です。孫氏の先見の明でボーダーフォン買収やYahoo日本の運営、そして通信が伸びているアメリカ市場への参入が結果に結びついています。

一方、パナソニック、東芝は海外進出に失敗しました。インターネットを含めた海外成長動向の読みを見誤ったとのではないでしょうか?

サムソンが伸びたのはアメリカ、ヨーロッパ市場でシェアを拡大したことが大きな要因です。実際、サムソンの売上の50%はアメリカとヨーロッパです。パナソニックや東芝もそれなりに海外での売上はあるもののサムソンほどではありません。それも日本という強大な経済大国が基盤だったことが敗因かもと思ってしまいます。サムソンはおそらく国内市場は大きな成長は見込めなかった。だから海外に出て言った。そんな気がします。

次の波の一つがドローン

そして今伸びているのがドローン業界です。その代表格がDJI。
DJIの世界売上変遷
2011年 約5億円
2013年 約140億円
2016年 約1600億円

5年で320倍です! 

それだけドローンが使われ始めているということを意味します。DJIは2017年あたりからホビーユース中心から産業ユース本格化へと舵を切ってきました。日本の市場規模は2018年は860億円が見込まれて、2024年には3700億円を突破する(インプレス綜合研究所データ)と推測されています。

ドローンが日本で話題になった2014年(内閣官邸への墜落事故)の時点では、「ドローンは危ないし使えない」という声と、「ドローンすごい」という声が混在していました。

ですが、今「ドローンは使えない」と思っていると・・・・。波に乗り遅れる。そう考えるのも不思議ではないですよね? 既存のアイデアを融合しドローンの活用法を模索しながらとにかく使っていくことが大切かもしれません。これまでの枠にとらわれずドローンをどう使うかを考えることで未来が開けるかもしれません。

既存の枠から出られなかった企業がある一方で新しい世界を作り出した企業の実例を少し分解してみると・・・・

実際には新しいアイデアなんてものは存在しないということを証明しています。iphoneは「電話」、「音楽プレーヤー」、「デジカメ」、「コンピューター」を組み合わせたガジェットです。ドローンも「空飛ぶラジコン」、「カメラ」、「コンピューター」を組み合わせたに過ぎません。

2018年は大きな波の前兆が起こります。

それはドローンによる無人地域(人口密度4000人以下)での目視外飛行の法制化です。そのための諸条件が2018年度中に定められることになっています。これで政府はドローン輸送業務を実用化しようとしています。 

日本がドローン普及をこれほどまで早く進めているのは何故か?

それは国が本気だからです。国交省・経産省・農水省が関わり「空の産業革命ロードマップ」がリリースされているのはご存知でしょう。そこにはドローン普及までの道筋が示されています。

その中のポイントの一つに操縦者・安全運航管理者と言った人材育成も挙げられています。2020年には人口集中地区(DID地区)での目視外飛行実現が目標に。このDID地区でドローンを使いたいなら、今のうちに目視外飛行の実績を積んでおいたほうがいいと思いませんか? 多くの実績を積みライバルに差をつける。

その方法の一つはドローンをとにかく飛ばす機会を作ることではないでしょうか?

ドローンがあなたの仕事に新たな価値を生み出すツールになる。そんな時代が来るかもしれません。「ドローン+何か」があなたの事業に新たな価値を生み出す。あなたの顧客に「新たな提案」ができる何か。それは私にはわかりません。私はドローンのプロですが、あなたのビジネスではあなたはプロ。あなたのこれまでの知識と経験にドローンを組み合わせた先に何があるか。考えて見る機会にしてはどうでしょうか?

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(JUIDA認定講師・プロドローンパイロット 松永和仁)

東京都内でドローンが飛ばせる!?

東京23区内でドローンを飛ばせるようになる。みたいです。と言っても屋外ではなく屋内。日経新聞の記事からまとめてみました。

足立区の体育館でドローンが飛ばせるようになるらしい

東京都足立区が「ドローンの屋内飛行に関するガイドライン」を策定しました。足立区内の11箇所でドローンを安全に飛ばせるように機体と飛行の条件などが定められました。

機体と飛行条件の概要

足立区が定めた条件を記事から抜粋しました。

機体は総重量4kg以下。

ということはDJIのインスパイアもOKです。もちろん、ファントム4やMavicシリーズもOK。屋内で広い場所を探すのは結構大変です。ですが行政が体育館のような場所を使わせてくれるというのはありがたい。そう思います。練習場所を探すのも大変ですが東京23区にあるというのは、本当に便利だなあと思います。私が住んでいる北海道も早くそんな対応をしてくれる行政機関が出てこないかなあと思っています。

次に飛行速度は時速10km以下。

10km出せれば十分に空撮の練習になります。実際、ドローンでドローンらしい空撮映像を取ろうと思うと10kmを超えることはまずありません。意図的に迫力を求めない限りせいぜい7~8km程度が理想的ではないでしょうか?

DJIのファントム4プロにある機能。トライポッドは最大速度7.2kmに設定されています。このぐらいの速度が雰囲気もあって良いからでしょう。時速10km。いい落とし所の設定だなあと思います。

今回の利用目的について

足立区がこの利用をどんな意図で使って欲しいか。

1 趣味のため
2 飛行技術の向上
3 スポーツ競技の空撮

これって実際にできるようなったら楽しいなあってワクワクしているのは私だけですかね(笑)。

飛行のために必要な手続きなど

飛行するためには届出が必要。操縦者は国交省が公認する団体からの技能証明が必要とのこと。

まとめ

こう言った動きが他の地方にも波及していきそうな予感がします。この事例がうまくいけば同じようなガイドラインを策定し、ドローンを飛ばせるようになるかもしれませんね。その時にはやはり「技能証明」が必須になってきそうです。今から備えておけば、あなたの街の体育館で空撮や練習ができるようになるかもしれません。行政機関は政府が定めた指針を重要視します。その指針の中にドローン資格制度が含まれています。ということは、行政機関関連の仕事では「技能証明」が避けては通れない時代が来る。というより、もし何かしらのライセンスを持っていなければ行政機関の仕事はできない時代が来るかもしれません。

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(JUIDAドローンスクール認定講師 松永和仁)

ワールドカップとル・マンとドローンの関係

2018年6月19日。日本が歴史的勝利を達成したワールドカップ。南米のチームにアジアのチームが勝ったのは初めてだとか・・。

そして。2018年6月17日。ル・マン24時間レース。トヨタがこれまた歴史的勝利。日本のメーカー&日本人ドライバーでの優勝は初。

この二つの出来事にある共通点を見つけました。その共通点はドローンの仕事でも使える。そう感じたので記事にしてみました。

準備と計画、そして実行プロセスが産んだ勝利

日本のワールドカップ初戦。テレビ観戦しました。そこで感じたのは日本の選手に大きなミスがなかったこと。これまで国際試合では日本は「あー、それないって」ということが多いように感じました。また、やっぱ日本弱いなあと思うことが多かった。

ですが、今回のコロンビア戦に限っていえば、非常に落ち着いてプレーをしていたし、安定感あるプレーだったように思います。

日本がコロンビアに勝った理由を考える

日本が放っていた落ち着き、安定感、ときにプレー読んでるなあと感心した理由を考えて見ました。

強かった理由 その1

それは、「準備」と「計画」そしてそれを「実行」していたからのではないかと感じています。とにかく慌てている、うまく処理できていないなあと感じる場面が皆無だったように思います。それもメンバー全員が共通認識を持ち、一致していた。自分の持ち場を自分の才能と能力を使って全力でプレーしていた。その結果、歯車が本当にうまく回っていたように思います。

強かった理由 その2

監督の客観的分析力。ハーフタイムの後、日本の動きが変わりました。全員が連動して動いている。途切れないフォローや波が次々に押し寄せるようなプレーの連続。コロンビアのパスが自陣に送られてもフォローする選手が必ずいる。前半の得点後、少しバランスを崩しかけていた日本が一変しました。これは監督の言葉があった。そして選手が気持ちを切り替え、選手全体が一致した目標に向かって自分の役割を果たす大切さを再認識した。そんな感じがします。

結果、絶妙なバランスでプレーをしていたと思います。相手が10人ということで有利だったとはいえ、コロンビアのカウンターをことごとく封じていました。

監督のアドバイス。そして選手たちは事前にお互いに話し合い、それぞれの役割について深い考察と一致を見ていたようです。

日本がコロンビアに勝ったのは。

・十分な準備による自信
・入念な計画を臨機応変に実行したこと
・個と個との連携から生み出される相乗効果。足し算ではなく掛け算になった。

と私なりにコロンビア戦を分析して見ました。

トヨタがル・マン24時間を制した理由

トヨタはライバル不在。メーカーとしての参戦はトヨタだけというレースでした。勝って当たり前の雰囲気です。しかし、ル・マンは勝って当たり前はないと私は思っています。

速さはもちろん、耐久性、信頼性、ピットワーク、チームマネジメント、ドライバーなど勝つための要素はあまりにも多い世界一過酷なレース。それがル・マンです。しかも、トヨタのドライバーには優勝経験者はいない。チームスタッフの上層部にもいないでしょう。

そう、全てが未知の世界。未知を制した理由は、やはり

・十分な準備による自信
・入念な計画をし、臨機応変に実行すること
・個と個との連携から生み出される相乗効果。足し算ではなく掛け算になった。

1位となった8号車は日本初のF1ドライバー中嶋悟氏の息子の中嶋一貴。F1ワールドチャンプのレジェンドの一人、フェルナンド・アロンソ。トヨタのワークス復活後からのセバスチャン・ブエミの3名。予選で中嶋一貴がポールを取り、ナイトセッションではアロンソがハイペースで走りきりました。一時2位でしたが、その結果1位に。ブエミは淡々と自分のセッションをこなす。

個と個とがその役割を持てる能力を発揮した。それが勝利に結びついたと思います。

今年のトヨタ8号車の周回数は388周(2位の7号車は386周)。2017年の優勝車の周回数は367周。2016年の384周。そう、トヨタはライバル不在ではあったものの、自分たちの戦い。仮想ライバルのポルシェを超えるべく戦っていました。

十分な準備。計画。実行。個が役割を全力で果たすことでの相乗効果。

ここに今回のワールドカップのコロンビア戦との共通点があったと、私は思っています。

ドローン飛行・空撮というミッション

ドローンを使って何らかの業務を行う。このミッションを確実に行うために何が必要か?

同じだと思いました。

・十分な準備
・入念な計画と現場に合わせて臨機応変に実行すること
・個が役割を果たし相乗効果を生み出す

ワールドカップ、ル・マン共に関わっていたのはプロ中のプロ集団です。知識、スキル、経験を持つメンバーがその持分に応じて役割を果たすことで達成した偉業です。

ドローンのミッションはそんな大げさなものでもないかもしれません。

ですが、ドローン使うものとしてプロでなければならないなあと思います。そのことをサッカー日本代表とトヨタチームから改めて認識した気がします。

あなたは規模は小さいとはいえ、ドローンのミッションを確実に行い、良い仕事を成し遂げるために「十分な準備」、「入念な計画」、「臨機応変な対応力」、「個が果たす役割についての確認」など出来ている自信がありますか?

何を準備し、計画し、不測の事態にどう対応するか。個の役割について深く理解していますか? それぞれの知識、知恵、経験を生かした形で業務ができているでしょうか?

そのために必要な基礎となる知識や操縦技術を十分に持っていますか?

自分にも改めて、それを問いかける機会になりました。日本代表、トヨタ。おめでとう。そしてありがとう。これからのそれぞれの活躍に期待です。

そして、私もドローン業務に関わる時に改めて十分な準備(練習含む)、入念な計画、臨機応変に対応できる対応力、自分の役割を考えてドローンのミッションをやっていきたいと思いました!

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(JUIDA認定講師 松永和仁)

ドローン空撮と風

あなたはドローンを飛ばす時にどんなことを注意していますか? ドローンの見えない敵かつ最も危険な相手をご存知でしょうか? それは風です。ドローンと風の関係について、これまでの経験から感じていることをシェアしたいと思います。

ドローン最強の敵とは?

ドローンを飛行させる時にDJI GOアプリの情報はとても役に立ちます。
・高度 ・距離 ・バッテリー残量 ・電波干渉の度合い ・飛行時間の目安

そして、上空で風が強いと画面上に警告を出して操縦者に知らせてくれます。ですが、具体的な数値はわかりません。私は一度、海岸から空撮をしていた時に、「ドローンが全く戻ってこられない」という経験をしました。地上での風は風速計があれば視覚化できます。ですが、上空の風は見えません。そんな事もあり、私はドローン飛行の最強の敵は「風」だと思っています。このコラムでは風とドローンについての色々な要素を書き綴ってみます。

ドローンは風速何メートルまで飛ばせるのか?

DJIの製品スペックを見ると、最大風圧抵抗10m/sと記載されています。時速にすると36km/h。Phantom4のスポーツモードで飛ばした場合、向かい風なら36km/h=10m/sしか出ないワケです。

もし、離陸ポイントからの距離が1kmとして上空100mだとすると
・離陸ポイント上空に戻るまで約1分40秒ほど
・そこから着陸まで最大速度で降下して約20秒 となると正味2分以上かかることになります。

これが上空で15mの風が吹いていたら、戻ってくる速さは5m/s。離陸ポイントまで3分以上かかる計算になります。あくまでも理論値ではありますが、正味4分程度戻ってくるまでかかる距離が1kmです。これも理論値ですがバッテリーは20%は消費する計算です。ちょっとこれはギリギリまで飛ばすのはリスクが高すぎると思いませんか?

ここまで考えるとやはりメーカーがスペックとして出している風速10mというのが現実的。上空で10mなら地上では5m程度になるケースが多いので、長距離飛行の前に風速計で確認してから飛ばしたいところ。

前述の私の海での飛行時には、風が地上で一時的に7mぐらい吹いている状況でした。風が弱まった時に飛行&空撮をしましたが海岸は突然風が強くなる事もあります。ですので、地上5m以上の時は飛ばさないと、私は決めています。

風情報を集める

ドローン飛行については風情報を収集することが、とても大切です。ツールとしては以下のようなものがあります。

・風速計
・風情報アプリ
・気象情報 あたりでしょうか。

気象や環境による風の変化については気象の知識が必要です。専門書も出ていますし、ドローンスクールなどでは詳しく教えられています。それもこれも、不用意な事故を避けるための知識。

怖いもの知らずという言葉がありますが、こういった風に関する知識が不足していると、私のような失敗どころか、本当にドローンを戻せないということが起きてくるかもしれません。起こす必要のない失敗や事故を避けるためにも、風情報・気象の知識は学んだ方が良いと思いませんか?

風を避ける飛ばし方

気象に関する知識があると、風が強い状況下でも影響を少なくする飛ばし方も出来るようになります。とはいえ、地上で風が強すぎる日は飛ばさない方が良いです。地上ではそうでもないのに、上空で風が強いという場合は風の影響を避ける飛ばし方が必要になります。

今何が起きているのかを分析する判断力。その前提となる知識。そして技術があればですが・・・。この辺りも気象に対する知識を身につけると良いですよ。海岸、海上、山間部などの風がどんな仕組みで吹くのかを知っていると、事故や失敗を未然に防ぐことができます。

アプリの警告を無視しない

アプリ画面上で風が強い場合、警告メッセージを出してくれます。経験上、このメッセージが出る時は最低でも5m以上の風が吹いている印象です。その時の地上での風は3m未満という事もよくあります。高度が50m程度でも警告メッセージが出ることがあります。高度が上がれば風は相対的に強くなる傾向にあります。ですので、アプリのメッセージが出た時はドローンを長距離飛ばさない方が良いです。

なぜなら、風は見えないからです。知識があっても避けられない風が存在します。ですが知識がなければもっと避けられないですが(笑)。

もしどうしても飛ばさなければならないならバッテリー残量には気を配る。最悪、墜落させても良い場所も想定しておくなどの対応策が必要です。

手にしている情報をどう活かすかは、自分次第。経験に頼らない事も大切です。想定外のことは起こり得ます。ですので、私はアプリのメッセージを踏まえ、警告が出た時の対応方法を決めています。あなたも警告が出た時の対応策を決めてはいかがでしょう。起こす必要のない失敗をしないために。それは何かあった時に自分を守ることにもなります。行き過ぎれば、いわゆる過失というヤツですから・・・

まとめ

私がドローン空撮する時に本当に詳しく情報を集めるのが「風」の情報です。

・色々な風情報ツールで事前に情報収拾
・風速計
・上空の雲の流れや雲の種類
・気温変化
・アプリの情報 などです。

例えば、風がない時には着陸の仕方も変えます。それには理由があるのですが、ここでは割愛します。つまり何が言いたいかというと、風の状態によって飛ばし方や操縦方法、高度、速度などあらゆる要素を的確に判断することが大切ということ。それもこれも不用意な失敗を避けるためです。ちょっとした準備・情報分析・知識・操縦技術を知っているだけで避けられる失敗は多くあるということです。

「風」は見えない敵です。ですが備えていれば敵ではなくなります。そして「飛ばさない」という勇気も大切かつ必要な備えだと思っています。

(JUIDA認定講師 松永和仁)

 

知ってますか? ドローンの2つの免許

ドローンを飛ばすのに免許はいらないって思っていませんか? ですが、飛ばすドローンによって、あるいは飛ばし方によってドローンにも免許が必要です。

ドローンにもある無免許飛行

ドローンを飛ばすための免許があるってご存知でした?

それは、アマチュア無線技士免許と陸上特別無線技士免許です。
(実際に使うには資格免許取得+無線局開局の免許が必要)

なんのために必要なのかをご存知でしょうか? もしご存知ならここから先は読み進めなくても大丈夫です。あなたの時間を無駄にすることになりますから。ですが、もしこの免許について知らないなら、知らず知らずのうちに法律違反をしてしまうことも。。

アマチュア無線技士の免許がなぜドローン飛行に必要か?

日本で飛ばして良いドローンと飛ばしてはいけないドローンってご存知でしたか? 日本で飛ばして良いドローンは「技適」と呼ばれる技術技基準適合証明等のマークがついているドローンだけ。

日本の場合、主に2.4GHz帯のドローンで輸入元が技適を取得しています。しかし、それ以外の周波数帯を使っているドローンも存在しています。その一例が5.8GHz帯を通信に使っているドローンです。

細かい話は割愛しますが、5.8GHz帯を使ったドローンを飛ばすためにはアマチュア無線技士4級以上、陸上特殊無線技士3級以上が必要です。基本業務用以外は陸上特殊無線技士ではなくアマチュア無線技士資格でOK。

しかし、実際には日本に入ってきているドローンの場合は少し事情が異なります。それは業務用に割り当てられた帯域のドローンはまだほとんどないということです。

ですので、日本で手に入るドローンで5.8GHz帯を使っているドローンは「アマチュア無線技士免許」での「例外」として「業務使用」するという方法で使うことになります。

つまり、業務用に割り当てられた周波数帯以外のドローン場合は、業務使用でもアマチュア無線技士の資格が必要ということなんです。このあたりの情報は総務省に確認したので、現時点では正しい方法です。

もちろん、業務用の帯域のドローンの場合は陸上特殊無線技士が必要ですよ。今はまだ過渡期と言えるので、2018年6月時点での唯一の選択が「アマチュア無線技士免許」+「例外での業務使用」ということ。5.8GHz帯を日本で使っても良いとされているドローンを飛ばすには「アマチュア無線技士免許」が必須というワケです。

業務使用なら陸上特殊無線技士が必須

前項、書いたように現時点では、この陸上特殊無線技士。ドローンの飛行では使えません。かくいう私も、業務使用ということで陸上特殊無線技士3級の資格を取得しました。

が、使えません(笑)。ですので、近々、アマチュア無線技士免許も取得しようと思っています。

ドローンの生産国のほとんどは海外。ということは日本の電波法上の周波数帯域に完全一致することはありません。一致させようとすると仕様変更や改造が必要になり、日本のために一部製品の仕様を変えることになります。

それはコストアップにもなるし、製品管理も複雑になるのでメーカーが対応するのは難しいと言えるでしょう。実際、ドローン市場の多くはまだ北米やヨーロッパが中心です。そしてもちろん中国も飛躍的に伸びています。これらのマーケットに合わせた仕様にするというのがシンプルですよね。日本市場が伸びに伸びて仕様変更してメリットが出てくれば「日本専用仕様」も出てくるかもしれませんが・・・

というわけで、ドローンを業務使用する場合は、「陸上特殊無線技士」は必須ですが、「アマチュア無線技士」もないと仕事ができない!

ですから、もし業務使用という事で「アマチュア無線技士」を取得していないのであれば取得をオススメします。

まとめ

ドローンを趣味、業務どちらで使うにせよ、5GHz帯を使うなら免許が必要です。その免許が「アマチュア無線技士免許」、「陸上特殊無線技士免許」です。広い範囲・業務で使うなら両方の取得をしておかないと、「飛ばす事=法律違反」なんてこともあります。

私も「アマチュア無線技士免許」を持っていないので、少し調べたり勉強したりしています。試験内容は「陸上特殊無線技士」とほとんど同じです。ですので、できれば同時取得が良いと思います。

私の場合、陸上特殊無線技士3級は取得していますが、少なからず忘れていることが・・・・(笑)。同時に取っていればと後悔しています。これから取ろうと思われている方は、費用はかかりますけど、同時に勉強し取得した方が良いですよ。

知っておいて損はない「ドローンの2つの免許」でした。

(JUIDA認定講師 松永和仁)

DJIバッテリーやってはいけない5つのこと

DJIのバッテリー。ほとんど使っていないのにダメにした。なんて話をよく聞きます。Phantom4用のバッテリーは2万円もするもの。まだまだ使えるのに、ちょっとした不注意で使えなくなってしまうなんで勿体無いですよね。そうならないための、その管理方法をまとめました。

DJIバッテリーはこう管理しろ

DJIのバッテリーには最新の技術が導入され、これまでのLipoバッテリーに比べて飛躍的に管理が簡単になりました。一方でその技術故の注意点もあります。どうすればより長くバッテリーを使えるのかをご紹介していきます。

やってはいけないその1 自己放電機能を活用しない

DJIのインテリジェントバッテリーには自己放電機能があります。なぜ自己放電させるのか?

ズバリ。長持ちさせるためです。

Lipoバッテリーは満充電の状態だと、気温、湿度などの外的要因で電圧が変化した時に、一時的に過充電と似たような状況になってしまうことがあります。この過充電状態がバッテリーを劣化させてしまうのです。それを避けるためにDJIは自己放電機能をつけてきました。

自己放電が始まるのはデフォルトでは10日間

この自己放電機能。実はマニュアルで設定も可能です。1日単位で10日まで設定可能。吊るしの状態では10日に設定されています。設定については個人の裁量で決めて構いませんが、私は3日にしています。というのも、10日といえば天候や気温の変化もあり過充電になるかわからないからです。

飛ばす予定があって、満充電した。でも天候で順延。。そのまま一週間。。気圧変化、温度変化、湿度変化。それが原因でバッテリーが劣化するのは勿体無いと思います。

なので、少しでも外的要因での過充電を避けるために3日にしているというワケです。これは私のラジコンでの経験も踏まえて決めたことです。実際、これでバッテリーは良い状態をキープできています。とはいえ、3日で放電が始まると飛ばす前には再充電をする頻度が増えるので、あなたの使い方に合わせて日にちを設定すれば良いと思います。

やってはいけないその2 充電回数でバッテリーの劣化を判断する

バッテリーの劣化については、ドローン販売をしていることもありよく聞かれます。またスクールの受講生の方からも聞かれます(笑)。その時に私が答えるのが、「電圧のばらつき」を確認することです。

DJI GO(またはGO4)の確認画面でバッテリーの電圧を確認できます。その情報でバッテリーのセル(注1)の電圧を見られます。満充電直後に、セル間の電圧差が0.2V以上ある場合は劣化していると判断します。
(注1)DJIのバッテリーは1単位3.8VのLipoバッテリーを直列に組み合わせています。その1単位のことをセルと呼びます

通常、コンディションの良いバッテリーは0.1V以内に収まっています。充電しても電圧が揃わないのはセルの状態が良くないからです。もし、満充電しても毎回0.2V以上差があるバッテリーは注意して使うようにしてください。

すぐに事故につながるというわけではありませんが、電圧降下が早くなり、飛行時間などにも影響が出てきます。また劣化したLipoバッテリーは最悪、発火というリスクもあります。もしできる状態なら、いつもセル間の電圧に差があるバッテリーがあるなら処分をオススメします。たとえ、新しいバッテリーであってもです。それも事故を避けるための危機管理です。

判断基準は充電回数ではありません。セル間の電圧のばらつきです。

やってはいけないその3 使う予定がないのにいつもバッテリーを満充電する

バッテリーを10日以上使う予定がない場合、ストレージモードで充電することをオススメします。ストレージモードは60%程度まで充電するモードです。環境変化によって過充電状態になることがないため、バッテリーの劣化を防ぐことができます。

そもそも、DJIインテリジェントバッテリーには、この過充電による劣化を防ぐために自己放電機能があります。つまり、いかに過充電がバッテリーに悪影響を与えるかをメーカーもよくよく承知しているという証明でもあります。

なので、使わない時は「ストレージモードで充電すべし」です。ちなみにこのストレージモードですが、DJI純正ファントム4用の充電ハブについています。あとはちょっと高価な充電器にはついているものもあります。

もし、これらの充電機器がない場合は自己放電機能の設定を短くすることをオススメします。

やってはいけないその4 バッテリーをカイロで温める

Lipoバッテリーは温度管理にも気を配る必要があります。特に寒さに弱いです。気温5度以下でバッテリーが冷えている状態だと、バッテリーの電圧が急激に下がることがあります。低温時に飛ばしていてバッテリーの温度が低いと飛行中に「バッテリーの温度が低いですよ」という警告も出ます。

かくいう私、このバッテリーの温度管理でドローンを堕としそうになりました(笑)。今思えば、ことなきを得たので笑い事ですが、その時は正直焦りました(汗)。

それ以来、気温が低い時に飛ばす時はバッテリーを20度以上に温めるようにしています。前日から室温を20度以上にして、バッテリーをケースなどから出して置いておくようにしています。

決してオススメしないのが、短時間で温めようとすることです。表面は暖かくなっても内部が冷えていると意味がありません。私も冬季間は移動時にカイロなどで温めていますが、それはあくまでも前日からゆっくりと温度をあげているから効果があるもの。

今日飛ばすから、朝からカイロとかコタツ、ストーブの前で温めればOKとは思わないでください。それで事足りることもあるでしょうが、オススメはしません。なにせ、ドローンはバッテリーが切れたら必ず「堕ちる」ので!

やってはいけないその5 飛ばしたあとそのまま放置

これをやると、過放電のリスクが高まります。過放電もバッテリーを劣化させます。私のお客さんでも、「他社で買ったバッテリーが充電できなくなったんですけど、何とかなりませんか?」という問い合わせを複数受けて対応したことがあります。お客様から過放電と思われるバッテリーを預かって、あれやこれやと試してみましたが、全く「ダメ」でした。

過充電はバッテリーが徐々に劣化するのでわかりずらいですが、過放電は一発でバッテリーが死んでしまいます。なので、過放電にならない管理が必須になってくるというワケです。

まとめ

DJIのインテリジェントバッテリーは本当に優秀なバッテリーです。

・バッテリー交換の前に残量を確認できるインジケーターがあること
・劣化を防ぐ自己放電機能があること
・ハードパックで管理が比較的容易(通常のLipoはソフトパックなので衝撃に極めて弱い)

これらの機能はラジコンを長らくやっていた私からすると、とても便利だと感じています。これらの機能があっても管理体制が良くないと寿命が短くなることもあります。

私のバッテリーの管理の決め事を共有しておきます
・基本、ストレージモードで充電
・自己放電機能は3日に設定
・使っても使わなくても二週間ごとにストレージモードで充電
・飛ばす時の充電は前日に行う
・使っていないバッテリーは3ヶ月に一回フル充電とフル放電を行う

性能が高い分、高価なDJIのバッテリー。管理をしっかりして「元」を取ってくださいね!

ドローンの目視外飛行関連の法律が変わる

2017年5月。空の産業革命に向けたロードマップの実現に向け、目視外飛行に関して、目視外補助者なしの飛行についての要件が国交省からリリースされました。その内容をわかりやすく解説します

ドローンでの荷物配送の実現に向けて

2018年、無人地域(人口密度4000人/㎢)でのドローン目視外飛行に関する法改正が予定されています。改正に先立ち、「無人航空機の目視外及び第三者上空等での飛行に関する検討会」が「無人航空機の目視外飛行に関する要件」が発表・公開されました。

この要件のポイントは、これまで目視外飛行はドローンを監視する補助者が基本必須でしたが、この要件で「補助者なしでもドローンを飛ばすための条件」が明記されたことです。現行の基準と比較して、どんな準備をすることで「補助者なしの目視外飛行」が可能になるかをまとめました。

ドローン目視外飛行の現行基準

まずは現行の基準を一覧にまとめましたので、ご覧ください。

現行の基準(目視外飛行の技術基準

内容基準
機体・自動操縦システム装備
・機体のカメラ装備
・地上から機体位置・異常の有無が把握できる
・フェールセーフ機能装備
操縦技量・モニターを見ながら遠隔操作により、意図した飛行経路を維持しながら飛行できる
・経路周辺において安全に着陸できる
・必要な能力を有していない場合は、関係者の管理下にあって第三者が入らないように措置された場所において目視外飛行の訓練を行うこと
安全確保の体制・安全かつ適切な飛行経路を特定する
・飛行経路全体を見渡せる位置に、補助者を配置
・補助者はドローンの飛行状況・気象情報の変化を常に監視できる
・補助者は操縦者が安全に飛行できるよう必要な助言を行う
・第三者がいる可能性が極めて低い場所は補助者なしでも飛行可能

現行の補助者の役割

役割内容
第三者の立入管理・飛行経路の直下およびその周辺を常に監視
・第三者が近づいた場合第三者と操縦者に注意喚起を行う
・第三者への衝突を回避させる
有人機等の監視・飛行経路周辺に有人機がいないことを監視する
・有人機等を確認した場合には操縦者に助言し、衝突を回避させる
自機の監視・飛行中の機体の飛行状況を常に監視する
・ドローンの挙動、計画上の飛行経路とのズレ、不具合発生などを常に監視
・継続的に安全運航を行うために必要な情報を適宜操縦者等に助言する
自機周辺の気象状況の監視・飛行中のドローン周辺の気象状況の変化を常に監視
・安全運航に必要な情報を操縦者等に対し適宜助言すること

※この一覧は「無人航空機の目視外飛行に関する要件」を整理しまとめたものです。一部を書き換えたり、省略したりしています。
原本を確認したい方はこちらから→「無人航空機の目視外飛行に関する要件」本文

現行基準では先述のように安全確保の体制の項で、補助者が基本必須であることがわかると思います。実際、広範囲での目視外飛行を行うとなると、この条件を満たすのは困難なことが起こり得ました。つまり、ドローンの機動力・飛行性能を活かす目視外飛行はこれまでは不可能に近いといっても良いかもしれません(もちろん、人を適切に配置できる条件下であれば可能でした)。

また補助者の役割も多岐にわたり、操縦はしないまでもドローン飛行のリスク、法律に深い知識があること。またドローンの挙動などから危険をいち早く察知することなどが求められています。飛行計画に関しても理解している必要があるので一朝一夕で補助者ができるようになるかというと簡単なものではありませんでした。

そうなると、補助者といっても専門知識や操縦技術を持った専門家、スペシャリストであることが望ましいと言えるのではないでしょうか? 実際、役割の中で「助言」という言葉が使われています。ということは、もしかしたら最も客観的に飛行状況を判断できる能力が求められるとも言えます。

では、今回の改正ではどのようにして補助者なしでのドローンの目視外飛行を実現しようとしているのか?

目視外補助者なし飛行の要件とは?

まずは要件の内容の一覧をご覧ください。

目視外補助者なしの飛行(全体要件)

要件項目内容
飛行させる場所・第三者が存在する可能性が低い場所(人、モノが対象)
・道路・鉄道を横切れるのは都市部以外の交通量が少ない場所のみ
・人口集中地区以外の家屋上空は離着陸時などの一時的な飛行に限定
・高度は150m未満が基本
(第三者が存在する可能性が低い場所)
山、海水域、河川・湖沼、森林、農用地、ゴルフ場など
機体の信頼性の確保・想定される運用で十分な飛行実績を有する
不測な事態への適切な対応・飛行中にモーター不具合等の不測の事態が発生した場合に備え、全ての飛行経路上において地上の人や物件に危害を加えすに着陸・着水ができる場所を予め選定する
・緊急時の実施手順を定めている
・飛行前に飛行経路またはその周辺が適切に安全対策を講じることができる場所であることを現場確認する

ここではまず明確に「第三者が存在する可能性が低い」ことが条件として挙げられています。また機体の信頼性についても「飛行実績」が必要。ということは使えるドローンは限定されるワケです。自作機やテストされていないドローンは使えない。。ということ。

さらに不測の事態に備えて、何が起こっても第三者に危害を加えないことや事前の現場確認も求められています。操縦技量ももちろんですが、事前の準備も必須ということですね。そして、さらに個別要件として立入管理区画についても公開されています。

目視外補助者なしの飛行(個別要件)

個別要件項目内容
第三者の立入管理・無人機が落下し得る範囲を考慮し、立入管理区画を設定
・この範囲は落下範囲が最大となる条件で算出すること
・メーカーにより適切に評価されたパラシュート等の第三者に危害を加えないことが保証された装置を使用する場合はこの限りではない
立入管理区画または機上装置・地上設備・機体または地上に常に進行方向の飛行経路下に第三者が立ち入る兆候を確認できるカメラを設置
・操縦者等が飛行経路上に第三者が立ち入る可能性がある場合、即座に回避する
・立入管理区画に看板等の物理的な目印を設置する
・問合せ先を明示した上でインターネットやポスターによりドローン飛行について近隣住民・関係者に広く周知するなど、第三者が立ち入らないよう対策を講じる
・立入管理区画に道路、鉄道、家屋など第三者が存在する可能性を排除できない場所が含まれる場合は、追加の第三者の立入管理方法を講じる
有人機の監視・航空機からの視認をできるだけ容易にするため、機体に灯火を装備する
・機体は認識しやすい塗色を使う
・飛行前に飛行経路周辺の有人機の運航者に飛行予定を周知する
・有人機の飛行日程・経路等を確認する
・有人機との接近のリスクがある場合は飛行の自粛や計画変更を行う
・ドクターヘリ、警察、消防機関とは緊密な連絡体制を講じる
・機体または地上に、常に飛行経路周辺を監視できるカメラを装備または設置する
・飛行させる空域に有人機等を確認した場合は特座に着陸する等の安全措置を講じる
自機の監視・地上において機体の状態(位置、進路、姿勢、高度、速度等)を操縦者が遠隔で把握できる
・操縦者等は、機体の異常または計画上の経路から逸脱することが判明した場合には、計画した飛行経路にもどす、付近の適切な場所に着陸・着水させる等の対策をとることができること
自機周辺の気象状況の監視・飛行経路の直下もしくはその周辺、または機体に風速センサ、カメラ等を設置
・気象状況を操縦者等が確認できること
・操縦者等は、メーカーの定める機体の運用限界を超える気象状態を把握した場合には、即座に付近の適切な場所に機体を着陸・着水させる等の対策を講じること
操縦者等の教育訓練・飛行させる操縦技量の取得のため、遠隔からの機体等の状態の把握ができること
・状況に応じて適切な判断ができること
・これらの操作等に関し座学・実技による教育訓練を少なくとも10時間以上受けていること

ここでは
・第三者の立入を管理する対象範囲を明確かつ厳密に選定すること
・立入管理区画内での機体や地上設備について
・事前の周知
・飛行時に新たな第三者が立ち入るのを極力避ける管理方法について

などが書かれています。

実際の具体的な事例もリリースの中に明記されていて、
立入管理区画に
・道路が含まれる場合
・鉄道が含まれる場合
・家屋が含まれる場合 の対応事例があります。ここでも事前調整や周知、飛行時の対策が書かれています。

原本を確認したい方はこちらから→「無人航空機の目視外飛行に関する要件」本文

有人機等の監視

ドローンを飛ばす上で絶対に避けなければならないのが、有人機との事故です。海外ではドローンと飛行機、ヘリコプターの接触事故が報じられています。ドローン自体は飛行機やヘリと比べれば小さくても、状況次第では相対速度は時速数百キロになります。もし、その衝撃でヘリコプターのブレードが。。。飛行機の翼が。。。エンジンが。。。どうなってもおかしくないですよね。。実際、ドローンの推力ではジェット気流?的な風に巻き込まれたら一たまりもありません。コントロールは実質不可能になるでしょう。

とあるヘリコプターのパイロットの方に聞いたところ、飛行中にドローンを目視確認するなんて不可能と言っていました(笑)。笑い事ではありませんが、避けるべきはドローンの方。近づかないという選択が最も正しく事故を防ぐ方法です。

というわけで、そのための要件が書かれているワケです。

自機の監視

そして自機の状況を監視することが次に挙げられています。目視外でも常にドローンの状況を把握できること。緊急時にも確実に操作できる必要があります。

気象状況の監視

目視外にせよ、目視内にせよ操縦者は気をぬく瞬間は全くありません。そんな中、外的要因としてドローン事故が起こり得るのが気象です。雨、風、霧など状況をより明確に確認できていることが必要になってきます。そこで大切なのが気象状況の監視と操縦者に対しての情報提供と助言と言えます。とにかく、危険要素をいち早く察知し、リスク回避をする。そして操縦者は危険状態に陥った場合は「即座」に着陸・着水させることが求められています。

操縦者の教育訓練

遠隔からの機体等の状態の把握、状況に応じた適切な判断及びこれに基づく操作等に関し座学・実技による教育訓練を、少なくとも10時間以上受けていること(無人航空機の目視外飛行に関する要件〜目視外補助者なし飛行の要件〜個別要件より)

また具体的な求められる基準も示されています。

具体的な例
a 飛行中に、カメラ等からの情報により、立入管理区画における第三者の有無等、異常状態を適切に評価できること。
b 把握した異常状態に対し、現在の飛行地点(飛行フェーズ、周辺の地形、構造物の有無)や機体の状況(性能、不具合の有無)を踏まえて最も安全な運航方法を迅速に判断できること。
c 判断した方法により遠隔から適切に操作できること。

これは確かに一朝一夕ではできません。準備も必要ですし、カメラだけで周りの状況を的確に、そして素早く確認する技量が求められます。あなたは迅速に安全な着陸場所を見つけられるでしょうか? また、モーター停止し即墜落する方法をご存知でしょうか? そのための訓練はもちろん安全な場所で行えるでしょうか?

(2018年6月11日追記)
国交省の無人航空機窓口に確認したところ10時間の教育訓練は追加で受ける必要はないとのこと。これまで通りドローンスクール受講で条件を満たせます。ただし、目視外飛行については別途1時間以上の飛行が必要になります。知識については法律・知識・機体などについて経験者から学ぶことが望ましいようです。

今回のこの要件はあくまでも「無人地域」を想定したもの。これが2020年には「人口集中地域」でもドローンが飛ばせるように諸条件が定められると思われます。そしてその内容はもっと厳しく、正しい知識、確実な技量、そして豊富な経験が問われるでしょう。

現段階では輸送に特化した内容が中心です。しかし「空の産業革命に向けたロードマップ」では有人地域でもインフラ点検なども想定されています。

drone-roadmap201805

もしその分野ですでに業務を行われているなら、ドローンを使わない手はないですよね。人が点検する数倍、数十倍の効率でインフラ点検が可能になるドローン。業務効率化、低コスト化、人員削減、業務上の危険回避など多くのメリットを享受できるハズです。早ければあと2年。少なくとも5年以内にはある程度の実用化が進むでしょう。

ドローンの目視外飛行の知識を学び、キャリアを積むのは早い方がいいかもしれません。運用経験を積み、ノウハウを蓄積しライバルより先んじる。ビジネスの鉄則でもありますよね。

まとめ

目視外飛行は目視内飛行よりも圧倒的に事故リスクは高くなります。しかし、「社会が許容できる安全レベル」まで引き上げなければドローンの運用・飛行はできません。そのための要件が今回のリリースです。活用が進むにつれて、ドローンでの目視外飛行に求められる業務は複雑かつ難しいものになっていくのは容易に想像できます(規模が大きくなる、速さが求められる、高い安全性が求められる。など)。その際に生きてくるのが、基本知識+基本技術をベースとした経験値(実績)です。多くの案件をこなし、あらゆる環境、状況に対応できる業者が多くの業務をこなせるようになる。これは明らかです。

この法改正は、本当に大きな波の前兆です。今、その波に備えていくことがドローンが活用される時代に取り残されない方法といえるのではないでしょうか?

(JUIDAスクール認定講師 松永和仁)

専門学校でドローン空撮を学ぶ〜第三講

札幌のドローンスクール雪研ドローンスクール校長のスカイスパイス代表 成田氏が講師を務めるのが、経専さんの無人航空機概論。小難しい科目名ですが、要はドローン空撮をするにあたり必要な知識と経験を積んでもらおうというカリキュラムです。学生の方々は映像制作などを勉強しているので、その一つのメニューとしてドローン空撮を学んでもらおうというもの。第三講目は、厄介かつ知っておかなければならない法律についてです。

ドローン空撮するなら知っておきたい法律。学生さんの反応は?

結構、みなさん真剣に聴いて下さっていました。

さて、法律というからにはやはり堅苦しいです(笑)。実際は「これはNG」。「これは気をつけてください」。という話がほとんどですから。ですが、ドローンを飛ばして逮捕なんてことになるのは、避けたいですよね。なので、キッチリと学ぶ必要があります。
ドローンに直接関連する法律は、ご存知の通り「航空法」です。ですが、関連法案となると本当に多岐に渡ります

 

・小型無人機飛行禁止法
・民法
・電波法
・外為法
・産廃法
・条例 などです。

知らないと捕まるかも? 関連法案は大切です

航空法下で無人航空機に分類されるのは、200グラム以上のドローンに限られますが、その他の法律によっては重さは関係ないことがあるなど、注意が必要です。成田講師、今後、ドローンでの空撮も仕事にするかもしれない学生さんに、重要ポイントを何度も繰り返し熱く語っていました(笑)。

ここで学べる内容は、スカイスパイス主催の雪研ドローンスクールで学べる内容と同等以上の濃いもの。しっかり理解することで、ドローン業務使用もバッチリの内容をお伝えしました。3時間の講義ですが、みっちり2時間凝縮したコンテンツでしたよ。(横でサポートしていた筆者松永の感想です。私もちょっと横槍入れたりしていました。)

知識も大切。でも楽しさも大事。ドローン飛行技術を学ぶ。実習編

仕事にするにしろ、学ぶにしろ、楽しさ大事! だと思いませんか? 辛くても楽しいから上手くなるし、理解できると思うんです。というわけで、今回も実習を。今回の実習機はParrot ManboとDJIプロデュースのTello君です。
 これまではタープにネットを張って、実習してもらっていましたが、今回から本体にぶつかっても怪我しないようネットをつけました。ですが、実習場所では磁気の影響からか操縦は結構シビア。通常では安定性の高いManboですが、ホバリングもまっすぐ飛ばすのもかなり難しい状況です。

 

その映像がこちら⇨ MVI_2516

今回はホバリング、まっすぐ飛ばす練習を兼ねて、輪をくぐる飛行を練習してもらいました。輪をくぐったと安心していると上昇してみたり、流されたりするので、「接触」⇨「墜落」という事態に。気を抜かずにドローンの動きを見ておくこと。そして丁寧な操作が必須になります。学生さんもちょっとManboでは苦戦という感じでした。

そこで、登場するのがTello君なんですが、こちらはいたって安定。Manboのように暴れることはほとんどありません。(スミマセン。写真も動画も撮れませんでした。教えるのに必死で(笑))。というわけで、ManboだけでなくTelloの簡単さも体験していただくことで、ドローン操縦の難しさを感じていただけたのではないでしょうか?

実際、業務で使用していると屋外でGPSが切れると、思いの外流されます。そんな時にセンサーオフのAttiモードでの練習というのが大切になってきます。そう意味ではManboで動きを観察しながらの操作が役にたつワケです。また、室内で飛ばす時にはビジョンセンサーなどをもつDJI製ドローンであっても、まともには飛びません。常に修正をしながら飛行させる必要があります。私自身、室内でのイベント撮影や、PV撮影をした経験がありますが、はっきり言ってセンサーを信頼しすぎるのは危険です。センサーがなくても確実に飛ばせる技術が必須です。ビジョンセンサーは比較的高度が低いときは安定していますが、5mを超えたあたりからは信頼性が一気に落ちます。また、イベント時などは照明が暗いので、センサーが全く効かなくなることもあります。

つまり、ドローンであらゆる仕事に対応したいというのであれば、手足のように飛ばせる飛行テクニックも必須というワケなんですね。なので、学生さんには屋内で不安定な状況での練習もたくさんして頂いて、対応能力を磨いて欲しいなと思います。

第三講まとめ

今回は法律というドローン空撮をする上で、絶対に避けては通れないテーマを学んでいただきました。ドローンのさらなる活用のために、これから法改正も行われていきます。近々では「無人地帯での目視外飛行」が明文化される予定です。そして2020年には「人口集中地域での目視外飛行」についてもより具体的な条文が定められる見込み。もし政府が示している「ドローンのロードマップ」が現実のものになっていくとしたら、今から知識も技量も貯め込んでおくことで、「ドローンを仕事にする」という新しい選択肢を手にすることができると思います。ビジネスの世界では、先に手をつけ、実績を積み、活用法を構築したものが大きな結果を享受できます。正直な感想を言うなら、ドローンに関連する法案整備や政府の体制構築は異常な速さかもしれません。「まだ大丈夫」と思っていると、乗り遅れてしまい。ドローンパイロットになりたい、仕事をしたいと数年後に思っても、その席は空いていないかも。。

 

 

 

 

2018年にドローンを取り巻く事情が大きく変わる三つのワケ

2016年4月にまとめられた「小型無人機の利活用と技術開発のロードマップ」が「空の産業革命に向けたロードマップ」となり内容が更改されました。その内容を見ると、ドローンの産業活用は確実に進んでいくことは明白です。ドローンを自分の業界に活用するためのヒントが詰まっています。この「ロードマップ」が示すドローンの未来について考察してみます。

時は動いた。ついにドローンが空の産業革命を起こす。

2018年3月29日。「ドローンの歴史が動いた」といえるプレスリリースが発表されました。

それは、「無人航空機(ドローン)の目視外飛行に関する要件」というもの。その中にはどんな内容が含まれているのか?を検証分析してみます。リンク:「無人航空機(ドローン)の目視外飛行に関する要件」

2018年にドローンを取り巻く事情が大きく変わる三つのワケ。
その1 目視外飛行が変わる

国交省、経産省が3月29日に同時発表した「無人航空機(ドローン)の目視外飛行に関する要件」。この発表のもっとも大きなポイントは「補助者なしで無人地域における目視外飛行が可能になる」ということです。

補助者なしで無人地域で目視外飛行ができるとどんなことが可能になるのか?
1 離島、山間部への荷物配送
2 災害時の被災状況の確認調査。行方不明者の捜索
3 長大なインフラ点検
4 河川測量 などがあげられます。

では、それぞれの用途に対して、この法改正がどんなメリットをもたらすのか? 考えてみました。

1 離島・山間部への荷物輸送

これまで、目視外飛行は必ず機体を視認するための補助者あるいは監視者が必須でした。つまり操縦者が見えていなくても、誰かがドローンを目視内または双眼鏡なども含めて、飛行状況を見ている必要がありました。しかし、実際には山間部や離島でのすべての飛行経路上に監視者を配置するのはナンセンスだし、実用性が全くないと言わざるをない状況でした。

しかし、今回の更改により、補助者なしでの飛行が可能になりました。この変更はドローン業界を大きく変えるといって良い内容です。

物資過疎地が消滅する

政府はドローンを使っての物資輸送について最大10km程度の飛行距離を目標にしています。往復にすると約20km。30分飛行できるドローンの場合、平均時速が40kmになればいいワケです。現実的かというと、現存モデルでは厳しいと思います。

そこで、やはり大きなドローン(といっても自重25kg以下。十分に大きいですかね(笑))での業務が考えられています。飛行時間も長く、積載量もそれなりのドローンです。そして実際に、今も日本のどこかで様々ケースを想定して検証テストが行われている!ワケです。
・薬を届ける
・日常物資を届ける
・緊急時に輸血用血液を届ける
・ゴルフ場などでAEDを運ぶ

これらの事例が具体的に動き出すと、これまで陸路で数時間かかっていたような状況でも、数十分という短時間で物資を届けられるようになる可能性があります。実際にはどう変化していくでしょう!?

【ドローンの目視外飛行が可能になった時に訪れる変化】
●山間部などでは道路整備がされておらず、クルマでの移動は時間がかかる場合がありました。空なら最短距離で障害がほとんどない状態で薬、血液、物資などを輸送できます。
●離島の場合でも、定期船などの就航時間に左右された物資輸送が、時間に関係なく可能になります。目視外飛行が補助者なしで可能なら、将来的には夜間飛行も可能になるでしょう(まだクリアしなければならない技術的課題や環境課題はありますが。。)。
●ゴルフ場で心臓発作&心肺停止。人が運ぶよりも、ドローンならカンタンに速く届けられます。救急車到着前に救命措置が可能になります(もちろん、そのための別の環境整備も必要になります。例えば、AEDを使える従業員の配置など。。)。

まだまだ活用方法はあると思います。ですが、物資が届かないことで不便を感じていたり、緊急事態に対応できない状況を補うことができるようになる。ということです。つまり、「物資輸送過疎地」が消滅する。

AFP BBニュースHPより引用

実際にアフリカなどでは、DJIドローンのようなマルチコプタータイプ(3つ以上プロペラがあるドローンをこのように呼びます)ではなく、いわゆる飛行機タイプのドローンで数十キロ先の場所まで、輸血用血液を届けるという活用が始まっています。もしそうなると、日本でも山間部や離島にドローン発着用の場所が設置され、そこに色々なタイプのドローンが離着陸するという時代も来そうですよね。アフリカで出来るんですから、日本でも出来る。あとは法整備と運用者の技術・知識レベルの向上があれば、既存の技術でもそれほど難しくはないです。今後、さらに機体の性能も向上していくでしょうから、事実上運用者の育成が一番の課題になっていくかもしれません。

2 命を救う。災害時の捜索

ドローン空撮。最近、CMやテレビ番組でドローンによる映像を良く見るようになりました。DJI製ドローンがあれば多くの方がそれほど難しくなく、プロレベルの動画を撮れる時代になっています。このドローンによる空撮。言い換えるならフライングカメラによる可能性も、今回の「目視外飛行に関する要件」によって広がります。

欧米ではDJI製ドローンまたは専用ドローンに赤外線カメラを搭載したドローン活用が始まっています。
●消防活動への活用
●インフラ点検(ソーラーパネル、送電線、鉄塔など)
●農業への活用 などがすでに業務として使われています。

この赤外線カメラを災害時の捜索に使えるなら、どんなことが可能になるか?
●温度差を検知する赤外線カメラだからこそ、「人」を見つけられる
人海戦術と並行して赤外線カメラ搭載のドローンを飛ばして、被災者の場所をいち早く見つけられる可能性が。。。
●二次災害が起こりそうな場合も捜索が行える
雪崩や土砂崩れなど二次災害が想定される状況下でも、ドローンなら空から状況を確認できます。その際に通常のカメラだけでなく、赤外線カメラは威力を発揮します。

実際、これまでの「目視外飛行は補助者を要する」という条件下では実質不可能な活用事例です。ですが、それが可能になる。結果、ドローンを「人の命を救う」ために活用できるようになるワケです。

ドローンだからこそのメリット
●ドローンならではの機動性や、ヘリコプターよりも低空で飛行できること。
ヘリコプターで行けない場所、ヘリコプターでは確認できないものを見つけられる
●高解像カメラ+赤外線カメラを搭載したドローンを複数台飛ばせる
ヘリコプターでは互いの影響が大きく、同じ空域に複数のヘリコプターが飛んでいる状況は大きな危険を伴います。しかし、ドローンなら飛行計画さえキッチリ行えば、同時飛行はそれほど困難ではないハズです。DJIの最新ドローンは「高解像カメラ」と「赤外線カメラ」を2台搭載して飛行&空撮できるドローンも出ています。
●墜落したとしても被害が少ない
ドローンが仮に衝突なども含めて墜落したとしても、被害はドローン本体のみ。ヘリコプターならそうはいきませんよね。

実際、災害時に自衛隊の救助活動を撮影していたマスコミのヘリコプターがいて、救助活動にも影響が出たなんて話もありました。ヘリで出来ないことがドローンなら出来るワケです。ヘリコプター、ドローン。それぞれの得意分野を活用することで救助活動の際に切れるカードを多く持てる。ドローン時代以前には不可能だったことが可能になります。そう、ヘリコプター以前の時代が、ヘリコプター以後の時代になったように。。いま、救助活動にヘリコプターは必須のカードですよね? ドローンもそうなる。そう思いませんか?

3 インフラを効率的に管理し、測量への活用の幅が広がる

ドローンの機動力は日進月歩で向上しています。この性能向上に法整備が追いついていませんでした。しかし、2018年度内に予定されている法改正によって、その機動力を活かせる時代がついに到来します。

数ヘクタールもの土地に広がる「インフラ」。あるいは広大な土地の「測量」。これまでは必ず補助者を配置していました。でも効率悪いですよね。人員もいるし、飛行計画も複雑になる。

ですが、補助者なしの目視外飛行が可能なら、効率が圧倒的に上がります。いままでの作業時間が数十%は短縮できるのではないでしょうか? 実際、「テラマッパー」というドローン測量の空撮・画像処理ソフトを使った場合、人による測量に比べて作業時間は5分の1になる。という事例も存在します。
テラマッパー関連記事⇒コチラ

ドローンが人の手足、目となる。それを使うのは人です。その人の能力を向上させる、まさにスーパーマン的ツールとなりえるのが、これからのドローンというワケです。

それもこれも、法整備がドローンの現状を活かす方向性でなされればこそ。安全を社会が容認できる水準に保ちつつ、活用の幅を広げる法整備。そして人材育成がカギになってくると言えるのではないでしょうか?

2018年にドローンを取り巻く事情が大きく変わる三つのワケ。
その2 i-constructionが深化する

世界ランキング2位の日本の重機メーカーコマツ。コマツがDJIと業務提携的な動きをしていることをご存知でしょうか?コマツはDJIから新開発の測量特化ドローンを1000台導入することを決めました。世界を股にかけ事業展開するコマツが、これまたドローン業界のジャイアントDJIとコラボした。これってすごいことです。
重機メーカー世界ナンバー1はアメリカの「キャタピラー社」(CATのロゴ)は、DJIとのコラボをコマツに先を越されたということ。コマツが世界2位といっても、じつは売り上げベースでいうと3分の1程度。DJIとの提携によってi-constructionを加速させ、測量、工事現場での活用に一石を投じたという構図です。業界の勢力図にも大きな影響があるのは間違いないでしょう。

つまり、重機メーカーとして生き残り、未来を創るためにコマツはDJIと協力するという選択をしました。これは測量業界、建設業界では大きな流れを作りだしたと言えると感じています。そう、これらの業界にはドローンは必須のアイテムになっていく。ドローンを使えない業者は淘汰されていく。ドローンを活用できる人材がいる業者だけが大きな仕事を取れる。そんな時代も来るかもしれません。

そして、この活用事例も今回の目視外飛行の要綱が大きな影響を与えます。広大な土地に人を何人も配置して測量するなら、ドローンを使うメリットは半減します。ですが、補助者なしの目視外飛行が可能ならドローンの真価を発揮できるというワケです。

2018年にドローンを取り巻く事情が大きく変わる三つのワケ。
その3 準天頂衛星システム みちびき運用開始

位置情報測位のためには最低4基のGPSの捕捉が必要です。これまではアメリカのGPS、ロシアのGLONASSとの通信によって位置情報を確認していたドローンですが、2018年には日本版GPS「みちびき」が運用されることになっています。

じつはこの「みちびき」がドローンの未来を左右する性能を持っています。

位置情報精度6センチという事実

内閣府宇宙開発戦略事務局HPより引用

内閣府宇宙開発戦略推進事務局のHPより引用

GPS信号を必要数補足していると、理論上の位置情報誤差は1mと言われています。しかし、実際には捕捉数や衛星の位置によって正確な情報を得られず10m程度というのが現状です。日本版GPS「みちびき」は2018年、つまり今年から4基による運用が開始されます。そうなると最低3基は日本上空付近にとどまり、これまでのアメリカのGPS、ロシアのGLONASSとともに位置情報を取得できるので捕捉数は確実に安定することになります。また衛星の位置による誤差も少なくなります。

しかし、これまでのGPS通信では位置情報の精度は上がりません。実はそのためにはあるシステムを使う必要があります。

センチメータ級測位補強サービス

内閣府宇宙開発戦略推進事務局HPより引用

これまでのGPS信号とは違うL6信号を受信することで、最高±6センチの位置情報誤差を実現します。これまでの受信システムではこの信号は捕捉できないので、専用の受信システムを導入する必要があります。現段階ではドローンにこのシステムは搭載されていません。ですが、搭載されれば精度が一気にレベルアップするワケです。近い将来、ドローンにも使われるようになるのは明らかです。政府はこのサービスを使って3~4級の基準点測量や写真測量への利用を検討しています。それだけ精度が向上するということですね。ドローンにも搭載されることで、さらに精度アップしたドローン測量が可能になる。そう思いませんか?
技術実証も近々に開始されるとのことで、正式な運用開始が期待されています。

時は動いた。ついにドローンが空の産業革命を起こす。まとめ

「空の産業革命ロードマップ」を参考にし、3つの角度からドローンの現在と未来を考えてみました。ここからわかることは政府は本気でドローンを産業に使おうとしているということです。それも、人材不足が実際に当面の問題となっていて、より深刻になっていく分野にも力を入れています。3K現場と言われる建設業界や、同じように過酷な環境での作業が考えられる測量。そして後継ぎ問題が深刻を極めている農業分野などです。

ドローンにできること。それは「スーパーマン」になるための目を手に入れることではないでしょうか? 人が歩いて足と手で地道に行っていた作業を数倍の効率で可能にする。この便利さは広がっていくことは間違いないでしょう。

「スーパーマン」になるためには、正しい知識、確かな技術も必要です。とりわけ建物検査やインフラ点検などは対象や環境によってGPS信号を捕捉しずらいことが多々あります。そのためには自らの技量を早い段階から磨いておく必要があります。その方法はとにかく飛ばすこと。いろいろな場面で運用してみることです。今から始めることで、将来の人手不足や法改正に備えることができます。